トピックス


クッキングクラス ミラノ編(後編)

2019/03/10 5:07 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2019/03/10 11:22 に更新しました ]

次の日は朝9時半スタートなので7時すぎセンターに入るとすでにアンナはテキパキと準備にかかっています。この日は6時間かかっておせち料理を中心にたくさん種類を作って欲しい、ということだったので年越しそばと野菜天ぷら、お雑煮とおせち料理の数々、デザート代わりに大学いもなども作りましたがまだ時間が余ったので残り野菜で鉄火味噌やプレスサラダなども作り時間丁度にクラスを終了しました。

この日もカメラマンが入り、クラスの写真を撮っていましたが夕方にはそれらがインスタグラムで紹介されていました。ただイタリア語なので読めず、完成形のお料理の写真が撮れなかったのは残念でした。

その日の夕食はマーチン一家と私のクラスに参加していた一家の長年の友人とでレストランに食事に行きました。マーチン夫妻は大きなエビとハマグリのクリームパスタ、私はスパゲッティボンゴレにしました。聞けばマーチン一家もレストランで食事することはあまり多くないとのこと。さすがアルデンテがパーフェクトなパスタに大満足でしたが中学生の娘さんはお皿に残ったパスタのソースをパンに染み込ませてふき取るように綺麗に食べていたのが印象的でした。

マーチン一家と友人達

クラスが終わった次の日曜日の昼には友人のマリネラ夫妻が神経科医のティナを伴いボローニャから、また北イタリアのトリノからも友人のパオラ夫妻がLa Sana Golaに来てくれたのでマーチン一家と数名の生徒さんも交え、盛大なベジタリアンラザーニャのブュッフェランチとなりました。健康オタクといえる私の友人達も本格的イタリアンマクロビ食を楽しみ、一昨年以来の再会を楽しいおしゃべりで過ごし、その後多くの人で賑わう有名な運河を見学しに出かけました。

納豆の素
マーチン(Martin Halsey)はアメリカの大学で生物学を専攻したNJ出身のアメリカ人です。204cmの長身を生かし、バスケットボールで活躍したため卒業後はスイスのプロバスケットボールチームに所属することになりそこでマクロビオティックを知りました。
1977年にはボストンの久司先生の元へ行き1年間の研修を積み、1980年にはパスケットボールを辞め、ロンドンのクシインスティテュートに移動。その後スイスでは5年間豆腐やミトクの納豆菌を使って納豆を作って販売したりその後もポルトガルやヨーロッパ各地で研鑽したのち1995年に遂にミラノにLa Sana Golaをオープンさせたそうです。

1980代はヨーロッパでもマクロビオティックの全盛期。この間ボストンから久司先生夫妻をはじめ、カリフォルニアから相原ヘルマン夫妻、NYから山本しづ子先生などが啓蒙活動のためにスイス、オーストリア、フランス、イギリス、などにオープンしたヨーロッパのマクロの拠点をあちこち訪れ講演会など開催してマクロの活動を盛り上げていたそうです。

マーチンの電子書籍にはVegan Samuraiというタイトルでマクロビオティックの歴史や石塚左玄から始まったマクロの先駆者達のことが英語で色々と書かれています。

イタリアも欧米諸国と同様に肥満児の増加で頭を痛めているとか。そこで政府も何らかの対策を求められる中、La Sana Golaはミラノでマクロ、ビオ、ビーガンレストランを併設した自然食、健康食料理人養成校として1995年からイタリアに自然食文化を普及する役割を担ってきました。

今では自然食、フードセラピスト養成校としてミラノが位置するロンバルディア州では”742of19/12/2012”に認可され、またイタリア政府からは”ホリスティックオペレーター”を名乗れる人材育成校として、”code SC-210/15”に登録されています。これにより卒業生は”n.4/2013”という法律で認められたホリスティックセラピストという名目で代替医療を行うことが可能になるため圧倒的な権限を得ることになります。

ここまで来るには経験、実績、設備面などの多くの審査があり多大な経費と労力と時間がかかったと過去を振り返るマーチンですが環境と地域を重視したマクロ的ライフスタイルと食のあり方に重点を置く古くて新しい健康法を広めるため日々活躍している姿を見て私はマクロビオティックに希望を感じました。

クリスマスを間近に控えた夜のDuomo(ミラノの象徴であるゴシック建築の大聖堂)に行ってみようと1人で地下鉄に乗りました。出口からの階段を登り終え、ライトアップされたその荘厳な姿が突然現れた時ミラノを実感しました。6時を過ぎ、空は真っ暗ですがDuomoの周りには観光客も多く、海外から来た有名サッカーチームの応援団が集団で歌を歌い気焰をあげています。
周辺の高級デパートのショーウィンドーは思わず見とれてしまう程手の混んだクリスマスの演出が施されていて通りがかりの人も立ち止まって写真をとっています。クリスマスプレゼントを求める人で混雑するDuomo周辺のショッピングエリアを屋台で売っているホクホクの焼き栗を買って食べながら見て回りました。大きくて甘い焼き栗はこの時期ならではのイタリアの楽しみです。

Duomo ショーウィンドウ ショッピングエリア

多くの助けに支えられ、多くの新たな出会いを通じて今回も無事に小さな任務を達成できたことをDuomoに感謝しつつ地下鉄でホテルに戻りました。

ミツコと学ぶマクロビオティックツアー参加者募集:
 ・4月20日~27日、オーストリア
 ・6月15日~22日、南イタリア
 ・6月22日~29日、ミラノ

ヨガ、イタリアンマクロビオティッククッキング、指圧、リフレクソロジー、経絡などは専門家から、望診、栄養学その他のクラスは 毎日マーチンから学びます。
詳細は macro@mmikami.com へお問い合わせください。

クッキングクラス ミラノ編(前編)

2019/03/10 4:59 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2019/03/10 9:39 に更新しました ]

Martin Halsey
ミラノには何度か観光で訪れましたが、マクロビオティックのセンターを訪れるのは初めてでした。

早朝7時半、マルペンサ空港に到着した私を出迎えてくれたのは、La Sana Gola(喉の健康という意味)という名称のミラノマクロビオティックセンター所長であるマーチン(Martin Halsey) です。

マーチンは”海外から8人の講師を連続で毎月招待し、各国の伝統マクロビオティック料理を味わいながら調理法を学ぶ”プログラムを企画して、私は2番目の日本のマクロビオティック料理講師として招待されました。多忙なマーチンは午前中から様々な予定があるというので空港から彼の車ですぐセンターに向かいました。

La Sana Gola の中は広くて明るく、すぐ正面に受付があり、右手がマーチンのオフィスになっています。受付を進むと階段教室とクッキングのデモンストレーションを行うキッチンがあり、そのまた奥にはレストラン専用の厨房があります。

また入り口の左手には席数90席のレストランがあります。商品を展示する棚を挟んでふたてに分かれて椅子とテーブルが配置されていました。このレストランはランチのみの営業ですが毎日盛況で50-70人の集客があるということです。日曜日はビュッフェスタイルで前菜付きベジタブルラザーニャのプレートです。


荷物を置いてクラスの打ち合わせを始める前にマーチンに近くのバールに連れて行ってもらいました。輝く太陽の元で石畳を歩くとヨーロッパに来たのだなと感じました。
12月のミラノといえば寒く、冷たい北風を覚悟して着込んできたにもかかわらず予想に反して気温も東京とほぼ変わらず一安心。聞けばヨーロッパ各地も異常気象でこれまでのところありえない暖冬とのことです。

中国食材店
エスプレッソを飲み終えるのに時間はかからず、またすぐセンターに戻る途中、中国食材店に立ち寄り私のクラスに足りない食材を買うことになりました。見ればごぼう、大根、蓮根、豆腐、サツマイモ、干しそば、うどん、ネギ、など大体のアジアの野菜、みかんや柿などの果物が所狭しと並んでいて日本料理に必要な食材はたいていのものは手に入ります。マーチンは日本食用の野菜を次々カゴに入れ、購入を済ませるとセンターに戻ってコンサルテーションへ。私はクラスのアシスタントをしてくれるアンナを紹介されセンターの広い地下室で次の日のクラスに必要な野菜や食材を選び手順の打ち合わせをしました。

私のクラスは2日間に渡って行われました。
初日は夕方6時から10時まで、次の日は朝9時半から3時半まで、デモのみで英語で説明しながらお料理を作り続けるというものでマーチンがそれを逐一イタリア語に通訳します。

当日、上級クラスで学ぶ生徒20数名が全員集まったところで私が自己紹介してオーサワから頂いた3年番茶を紹介して振る舞い、番茶の作り方、梅しょう番茶などの説明をしてからお料理開始。様々な年齢の生徒さんがメモを取りながら私の手元を見守るなか、私はアンナと二人でどんどん料理を作っていきます。しかし、量が多いので野菜を切るにも、煮るにも揚げるにも時間がかかります。

しかも時間的に生徒さん達は空腹な様子です。予定ではお吸い物とある程度プレートに品数が揃い形が整ったら試食開始なはずでしたが待ちきれない彼らはできたものから次々試食開始したいとマーチンにアピールしマーチンもこれを承諾。この思いがけない成り行きに私とアンナは大慌てとなりました。また次の日のおせち料理用に日本から銀杏を持参し、殻むきを生徒さんに頼んだところむいている間にほとんどが食べられていて、残りがほんの少しになっていたのは驚きました。海外ではこういう想定外のことはよくあることですから臨機応変に対処するしかありません。

結局初日はお寿司の色々(チラシ寿司、海苔巻き、軍艦巻きなど)揚げ豆腐、お吸い物、白和え、即席漬け数種など数人の生徒さん達にもキッチンに入ってもらいどうにか4時間でうまく終了。
でも完成形のお料理の写真が取れなかったのは少し残念でした。

クッキングクラス5
クラスが終わると生徒さん達は自分の使ったカップや食器類など洗わず帰ってしまうのでボール、揚げ物の鍋、釜、皿、カトラリー類、カップ、余った食材類などがキッチンに散乱。初日はクラスの終了が夜の10時半を回り、時差ぼけもあってクタクタになった私はこれからアンナと後片付けや掃除をするのかと気が遠くなりましたがなんとそこに片付け専門らしき優しそうなおじいさんが颯爽と登場。あとは全部彼に任せて帰れば良いのよ、という日本では考えられないことが起こりました。おじいさんは慣れた手つきでニコニコと手際よく洗い物を始め、私が残った生徒さん達と写真を撮ったりおしゃべりしている間にもキッチンは元のピカピカの状態に戻っていました。

クッキングクラス6

世界旅行記 イタリア編③ ~Macrobiotic Report in Italia~

2018/04/04 3:46 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2018/05/24 17:19 に更新しました ]

マリネラと私
昨年、8月末に灼熱の香港から帰国して間もない3週間後にまたイタリアのボローニャへと向かいました。昨年の本誌でもご紹介した友人のマリネラを訪ねるためです。

マリネラとは30年来の友達で彼女は世界一古いと言われるボローニャ大学法学部で博士号を取得しました。彼の夫ロベルトも同じボローニャ大学卒業で今は同大学で教鞭をとるかたわら自分の会社も経営しています。

9月始め、外科医としてボローニャで長年活躍していたロベルトの父が93歳で他界し、彼が郊外に所有していた別荘をほとんど使わないので売りに出そうか悩んでいるとメールが来ました。
3階のバルコニーからの眺めが素晴らしく(晴れた日にはアルプスが見える)踏ん切りがつかないとの事でした。そこで、もし私がその場所をクッキングスタジオとして日本の人達とうまく活用できるなら貸してあげると言われました。
マリネラのお父さんは大型客船の船長として世界中を航海していましたが燃料補給や船の点検のためよく一時寄港していた日本が大変お気に入りで日本の話しをしょっちゅう聞かされて育った彼女は大の親日家なのです。
昨年イタリアを訪れた時はクッキングクラスやパーティーのお料理作り、コンサルテーションなどで忙しく、自由な時間が取れなかったので今回はゆっくり街を見たり、一緒にお料理をしたり、観光などもして楽しく過ごそう、ということになりました。

マリネラの別荘1 マリネラの別荘2 マリネラの別荘3 

9月半ばだというのに北イタリアの朝晩は寒く、暖房が欲しい位でしたが環境管理が徹底しているボローニャでは4月12日から10月12日まではエアコンの使用が禁止されています。

味噌汁
イタリア特産の魚醤のようなもの
夜遅い便で到着した私をマリネラは空港にロベルトと迎えにきてくれ、それから彼らの家に行くとキッチンのテーブルには昨年クッキングクラスなどで何度も作った味噌汁がありました。
これに使っただしはローマ帝国時代から使われていたイタリア特産の魚醤のようなもので鰹節の代わりになるものを探していた凝り性のマリネラがどこかで偶然見つけたものだとか。
年代物のバルサミコ酢と同じ位高価なものだそうで、香水と見紛うような洒落たボトルに入っていました。
スープといえば牛スジを何時間も煮込んだ濃厚な味に慣れているイタリア人には味噌汁に昆布と椎茸のだしでは物足りないらしく鰹節が入らないと味噌汁は美味しくない、とはっきり言うのです。
またイタリアの水はカルシウム分が豊富なため昆布の旨みが水に溶けにくいという難点があります。そこでイタリアで生まれた伝統発酵食の魚醤とイタリア産味噌を使いマクロの基本原理である身土不二の味噌汁を作り上げたマリネラに感謝しつつ、美味しい味噌汁を有難く頂きながらその晩は遅くまでおしゃべりに花を咲かせました。

翌日、午後には早速マリネラの義父が所有している郊外の別荘を見に出かけました。ボローニャから車で約1時間かかるその村は昨年お祭りに連れて行ってもらっていたところです。

3階建のその別荘に何人宿泊可能なのかマリネラもはっきり把握しておらず、今回二人で調べたところ全体として10人位が泊まれることが判明。
玄関を入ると広いリビングがあり小さなキッチンが一階と二階の2か所、バスルームも各階にあり、3階には見晴らしの素晴らしいバルコニーがあり、ここでヨガをやったら気持ちがいいだろうなと思いました。
蜘蛛の巣だらけかと思っていましたが長年使っていない割には綺麗でした。
しかし、実際に使うとなればあちこち手を入れて大掃除をしなければなりません。
村にはレストランやカフェ、ベーカリー、スーパーもあり新鮮な野菜も手に入るので買い物をしてこの家でお料理をすることも可能です。
昨年この村に来た時は丁度さくらんぼの時期だったので農園で木から直接実を摘んで食べたり、道端のお店から安く大量にさくらんぼを買って帰りチェリーパイを作りました。
ここからはフィレンツェやミラノ、ベネチアなどにも気軽に行くことができます。
今後この場所を活かしてクラスやクッキングに集中講座などマクロの啓蒙活動をできることを私もマリネラも楽しみにしています。


マリネラの交流 キッチン
トマトのみで味付けした手作りのパスタ1 トマトのみで味付けした手作りのパスタ2 ナスやズッキーニのソテー1 ナスやズッキーニのソテー2
パーティー1 パーティー2 パーティー3
マリネラ夫妻の友人達は医者が多いのですがその仲間達とよくパーティーを通して交流しています。
イタリアのパーティーは始まりが遅く8時くらいに始まり、終わるのは12時を回る事もしばしばです。
8時すぎからワインやシャンパンに一口サイズのパンやチーズ入りパイなどのフィンガーフードをつまみながらソファなどでホスト夫妻と招かれた客同士でおしゃべりします。
パーティーのお料理
スティックサラダの盛り合わせ
ケーキ
パーティーに呼ばれるたびにお手伝いをする口実でキッチンを見せてもらいますがパーティ慣れしている彼らは全てのお料理をすでにキッチンテーブルに並べていて準備万端。
あとはお皿やグラス、カトラリー類などが完璧に用意されたリビングのテーブルに運べばいいようになっています。
30分位それぞれがリビングのあちこちで雑談をした後皆テーブルに腰掛けるようホストに促され前菜である温かいパスタが配られます。
パスタだけで日本人ならお腹がいっぱいになるところですがこれにたいがいキュウリ、人参、セロリ、などのステックサラダを大量に美しく盛り合わせたものとオリーブオイルと塩がテーブルにありますのでワインを飲みながら皆で野菜をつまみます。
全員がパスタを食べ終え、お皿を下げると次にメインの温かい煮込みの肉料理、またはローストビーフや生ハムなどの盛り合わせやなどが出てきます。
ボローニャは元々伝統的に肉食の地域であることから特に年配の人達にベジタリアンは受け入れがたい雰囲気が感じられますが私用にはあらかじめマリネラが肉なしでお料理を頼んでおいてくれるので私だけトマトのみで味付けした手作りのパスタやキノコの煮物やナスやズッキーニのソテーなど用意しておいてくれました。
そして最後には複数の豪華なケーキ(有名パティシエ作の市販のホールケーキが用意されることも多い)と甘いリキュールやチョコレートなどで締めくくります。
日本人ならこれにコーヒーか紅茶が欲しいところですがイタリア人は夜はこれらを飲むことは滅多にないようです。
ただこういう食事はパーティー用で、普段の食事は地中海式食事法として知られているように新鮮なオリーブオイルや野菜、果物を豊富に使ったシンプルな料理が多く食後には甘いデザートより果物やチーズ少々を取り、添加物やアミノ酸で加工された食品や揚げ物の摂取があまりないように感じます。
また日本の白滝がローカロリーなのでパスタの代わりにする人もあり、有名になってきていて、スーパーでも見かけました。
土壌がミネラル豊富なので野菜もしっかりしていておいしくサラダやパスタや野菜の煮込みなどマリネラと日本食とイタリア食をお互い作り合いレシピの交換もたくさんしました。
食に関しては保守的なボローニャですが大きなスーパーやcoopではベジタリアン用の雑穀類、米、豆の他、雑穀や豆やグルテンでできた様々な種類のナチュラルバーガーやパテなどの冷凍食品、豆乳ヨーグルト、アーモンドミルク、クリーム、豆乳アイスクリーム、大豆ハム類など日本やアメリカでは見たことがない商品が豊富にあります。
今回はその幾つかを買って試食してみましたが値段も味も手頃であれもこれも試したくなりました。
ボローニャのスーパー


友人夫妻が経営しているスパ
プール1
プール2
マリネラとロベルト夫妻にはボローニャ郊外の広大な敷地に5つ星リゾートを何棟も建設して経営している友人夫妻がおり、今回はそこのスパにも行く機会がありました。
広いロッカールームで水着に着替え、私には大きすぎる真白いガウンを羽織ると内部を知り尽くしているマリネラは各種のスパをめぐりながら使い方など説明してくれます。
水に潜ると音楽が聞こえるプール、水の色や強さや種類が変わる仕掛けのシャワー、水と温水、交互に歩き免疫力を鍛えるプール、強力なジャグジーなどのほかスチームサウナと普通のサウナなども勿論あります。
途中休憩用に用意されてある果物を食べたり、各種健康ドリンクを試し飲みしたりしていると3時間はあっという間に過ぎてしまいました。
このスパにはなんとヒノキ風呂がありました。ここだけは特別料金がかかる予約制ということでしたが覗いてみるとヒノキの香りが漂う個室のお風呂になっていてヒノキの手桶が置いてあり、最初にこの桶で体にお風呂のお湯をかけて清めてから湯船に入るのだという説明も英語で書かれています。
お湯から上がると抹茶のサービスもあるそうでこんなところにも日本の伝統文化が生かされているのを知り、さすが文化や伝統を重んじる国イタリアらしいと思いました。
日本食や寿司レストランもこの肉食で保守的なボローニャでもだんだんと数が増え、人気上昇中のようです。

あれだけ世界中至る所に拡散しているマクドナルドとスターバックスは保守的なボローニャではメインストリートにあることはあるものの多くは見かけません。それぞれが10何世紀かの荘厳な建物にひっそり収まっており、あっても目立たないと云うことでしょうか。それよりも古くから営業しているカフェやジェラートのお店が沢山ありアーケード内の路上テーブルはどこも常に学生や多くの市民で賑わっています。


栗のフェスティバル1
栗のフェスティバル2
ラビオリ
イタリアといえば栗も有名ですが丁度その時期だったのでロベルトの運転で栗やキノコの名産地として有名なCastel.del.Rioというところに行くことができました。
そこの村には彼らの友達夫妻が廃墟を買い取り改装し、家の一部を民宿にして住んでいます。
2時間近いドライブの末私達がそこに辿り着くと大きな2匹のポインターのような犬が出迎えてくれました。猫も2匹います。
挨拶を済ませ家の中を案内してもらいましたが一部まだ未完成であるものの、古い内部を残して水まわりなどリノベーションを終えたモダンな内装とアンティークの家具がマッチしたリビングや寝室は正にイタリア風古民家で素晴らしいの一言。
またどこの窓からも見渡せる閑静な森の眺めは心に平穏を与えてくれます。
奥さんは元々マリネラと同じくノーブルファミリーの出身でミラノのお城のようなマンションに先祖代々受け継がれてきた高価な家具類や絨毯や宝石、絵画などに囲まれ優雅に暮らしていたシティガールだったそうです。
ある日夫妻が旅行から帰ると一切合切、泥棒に盗まれていたのだそう。
イタリアらしい話しですがしかしいつまでも悲観する事なくそれを機にかねてから憧れだった自然の中での生活に飛び込んだのだとか。
街の暮らしに比べ退屈ではないか聞いたところ、今ではそこでの生活にすっかり馴染み、趣味のドライフラワー作りに励んだり、森を散歩したり、裏庭ではオーガニックの野菜や花を作ったり、街には行きたいとも思わなくなったのだとか。
裏庭に自然になっているりんごが盛りだったので枝から1つもぎ取って食べてみると案の定虫食いでしたが甘酸っぱく、まさに力強いりんごの味がしました。
これでアップルパイやジャムなど作ったら田舎暮らしもやめられなくなることだろうと羨ましく思いました。
それから栗のフェスティバルに夫妻の息子夫婦も加わって村の中心地に車で行き、そこで友達家族とも合流して予約してあった仮設テント内のレストランで栗のランチを食べることになりました。
生まれて初めて栗だけが入ったベジタリアン用のラビオリを食べました。
中の栗が甘いので塩とオリーブオイルと胡椒を頻繁にかけながら食べないと途中で飽きてしまうかもしれませんが他ではちょっと味わえないここならではの季節限定ランチでお勧めの一品です。
これに皆さんはワインや生ハムなどでワイワイガヤガヤの楽しいランチとなりました。
その後焚き火の上に乗せた大きな釜で炒った自然の香ばしい焼き栗とカップ入りのボージョレーを買い求め、更に栗を食べワインを飲んでは屋台のお店を覗いて歩く、という大いに栗を堪能した贅沢な1日となりました。


高級リゾート地Stresa1 高級リゾート地Stresa2 高級リゾート地Stresa3
今回はまた特急電車で30分ほどのフィレンツェに午後から出かけたり(夜は8時すぎまで明るいので)、スイスとの国境近くにあるイタリア1大きな湖に面した高級リゾート地、Stresaでチューリヒから来た我々の古くからの仲間とホテルに宿泊し、船で島に渡り、荘厳な教会や豪華な大富豪の館を見学したりロープウェイで山の上の植物園に行ったり、村を散策したりしながらお喋り三昧で大いに盛り上がりました。
旦那さんが物理学者でスイスの地下にある巨大な施設で重力の研究をしているこの彼女も白血病を克服しています。
ここでは夕食に飛び込みで普通のレストランに入りましたが私は豆の煮物と夏やさいのグリル焼き、それに洋梨の赤ワイン煮、マリネラと友人はシンプルな魚のソテーを注文。ランチにはポレンタのトマトソース添えやベジタブルパテ入りバーガーなどもあり、どこへ行ってもベジタリアンが困らない対応になっているのには感心しました。


帰国の数日前、ボローニャの洗練されたレストランにマリネラ夫妻と私の3人は彼らの友達一家に夕食に招待されました。
そこには夫妻と彼らの長男、次男の4人が待っていました。
まだ20代の長男は日本のアニメが大好きで日本文化に憧れているのだとか。
英語が流暢で私とはすぐに打ち解けましたが二十歳の次男は様子がちょっと違いました。
彼は幼い時から自閉症で知らない人には打ち解けず触られるのも嫌うので学校や病院に行くのも大変だそうです。
言葉も英語どころではなくまだ幼児のような話し方をしますが聞かれるとうなずいたりしてどうも言われていることはわかっているようです。
さて、この彼は数ヶ月前から体重が激減し同じ物を普通に食べているのにどんどん痩せていっているのだとか。
見た所元気そうではありますし、食欲もあるのにと病院に連れて行ったところどうも潰瘍性大腸炎の疑いがあるのだとかでこれから検査だそうです。
心配のあまり彼を溺愛している父親は息子が不憫で昼も夜も彼と一緒に過ごし、夜は同じベッドで眠るようになり二十歳の息子を完全に幼児扱いしているようです。
両親は英語を話さないので長男かマリネラが常に通訳してくれます。
驚いたことにこの二十歳の青年は東洋人の私を見ても恐れることなく暴れ出すどころか落ち着いて満面の笑みを浮かべているのです。
それを見てとりあえず大騒ぎになり収集がつかなくなる悲惨な事態は避けられたことがわかって両親の緊張が解けたのか家族は皆笑顔になり注文した大量の魚のフライやパスタ、サラダ、などを食べながらイタリア語でマリネラ夫妻とジョークを交え大笑いしながら会話が弾み出しました。
この場の雰囲気に次男も嬉しそうに一生懸命食べています。
そこで私に心を許した父親は息子に何を食べさせたらいいだろう、と聞いてきました。
この夫妻の経営する店では僅かながら番茶や梅酢や醤油などの純正日本食も扱っていて奥さんには日本の正食の理解がありますがさて、ご主人にはどこから説明していいものやら。
こんな時私は理屈よりも先に行動に出てしまいます。
了解を得て私は彼の背後に回り腸に繋がっている肩にまず手を置いてみました。
ガリガリに硬くなっている肩を揉んでみると彼はとても気持ちが良いとさらに喜んでいます。
常に恐怖感で緊張し、何年も凝り固まっている肩を揉みほぐすとエネルギーの流れが良くなったのか青白かった顔色がほんのりピンク色に変わってきました。
母親は大体正食の基本はわかっているのでとりあえず実践可能なこと、梅しょう番茶や梅しょう葛、味噌汁や豆、雑穀など穀物などを中心に食べ、多食の傾向にある果物、デザート、チーズなどを減らす方向で検査の結果を待つことにしました。


こうして行く先々でいろいろな人との出会いがありまた学ばされます。私たちは常に様々な困難を抱えて時につまづくこともありますがとにかくその都度前を向いて立ち上がりまた歩き続けなければなりません。
中国の古典である”菜根譚”にも著されているように、苦境に陥った時こそ自分の心や思考様式を考え直し生活を立て直すチャンスでもあるのです。

イタリアの現政権にしても今難問だらけの苦境に陥っています。国内の大量失業者に加え、連日北アフリカから命がけでやってくる難民受け入れの問題があります。何しろ文化の違いが大きすぎて彼らの行動が保守的なイタリア人に受け入れられないことも問題の一つであるようです。

運命共同体である人間同士で分かち合いどころか自分ファーストの考え方や行動があたかも当然のように蔓延し、それが国家に反映され、分離、分断、差別の意識が広まりを見せる現在ですが宇宙の法則から外れたこの思考はこのままでいけば更に地球を苦しめることになるでしょう。

地球が壊滅的な打撃を受け、全ての生命が生きる場所を失う前にマクロビオティックの英知が問題改善に果たして役割を果たせるものかどうかマクロの本質が問われる時が来たと思います。

10月のエッセイ

2017/09/19 4:29 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2017/09/19 4:30 に更新しました ]

中9月6日木曜日にオーク店内で初めての試みとしてクラスが行われました。今回は種子と木の実がテーマです。

今回のテーマである種子や木の実は繊維の他鉄分、カルシウム、ビタミン、ミネラル、などの微量栄養素を多量に含んでいるので普段から日常的に少しづつ摂取したいものです。

マクロビオティックでは特にごまをよく料理に使います。ごまの原産はアフリカのサバンナです。数千年前にごまはアフリカから世界に広がり、紀元前3000年以前には中国でごまが栽培されていたそうです。元来ごまは黒だったようですが野生種が世界に広がり、突然変異や品種改良を経て現在の品種になりました。色が違っても成分に差はなく、黒ごまに脂質がやや少ないものが多いようです。

ごまにはゴマリグナンという物質が含まれていて抗酸化作用や肝機能を高める作用があると言われています。ごま全体の半分の栄養素は脂質が占め、必須脂肪酸であるリノール酸と酸化しにくいオレイン酸がほぼ1:1の割合で含まれ、他の植物油と比べるとバランスが良いのが特徴です。またごまには鉄分やカルシウムが多量に含まれていて鉄分は肉類の5倍、カルシウムは同量の乳製品の約10倍も含まれているということです。

中東でよくお料理に使われるタヒ二は皮を取り除いたごまが使用されます。タヒニはクリーミーな白ごまのペーストでそのままパンにつけて食べたり、ひよこ豆で作るフムスなどの中東料理には欠かせません。

またごま塩には血液を濃くする力があるので煮出した三年番茶1カップにごま塩大さじ1を入れて飲むと生理痛、不眠症、怪我、貧血などの時にも効果を発揮し、やけどの時も化膿せずに治りが早いと言われています。

9月のエッセイ

2017/09/19 4:27 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2017/09/19 4:28 に更新しました ]

4年ぶりに香港に来ています。8月の香港の暑さは覚悟していましたが滅多に汗をかかない私でも顔から汗が吹き出します。湿度が高いので慣れるまでが大変ですが相変わらず街は多くの人で溢れかえっています。

早速患者さんのお料理を始めるのに必要な新鮮な地元のオーガニック食材を入手するために龍城街マーケットにフィリピン人のヘルパーさんと出かけました。大きなスーパーにもオーガニックの野菜や果物は売っていますがそのほとんどが海外からの輸入品です。大根、ごぼう、自然薯、ユリ根まで入手可能で蓮根などは地元の立派なものが売られています。その中でも日本からの輸入品はオーガニックでもないのにとても高く、大きなスイカは立派な木の箱に入って2万円近い値段がついて売られていました。

魚売り場では鳥かごのようなものに動くものが重なるようにして入っているのでよく見たら大きな生きた食用ガエル。その脇ではおじさんが片っ端からそれらを引っぱり出しまな板の上で解体し皮を剥いでざるに並べているのでした。私は気持ちがへこんで写真を撮ることはできませんでしたがフィリピン人のヘルパーさんはカエル美味しくて大好きなのだとか。私たちはこうして生き物の命を頂いているのを実感しました。

お料理の合間に2回クラスもしました。やはり中国ですから易や陰陽五行、九世気学皇帝内経、神農の知識もあり、話が盛り上がりました。

マクロビオティック 香港編

2017/09/19 3:58 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2017/09/19 4:14 に更新しました ]

4年ぶりに”ジョアサン!”で私の1日が始まりました。8月の香港の暑さは覚悟の上でしたが予想を上回るものがあり、かき氷があったら食べるよりまず顔を突っ込みたいと思いました。

今回の依頼は香港で有名なソーシャルワーカーの親族の方からでした。患者さんはオーガニックナチュラルの店を経営する傍ら、緑色生活教育基金(Green Living Education Foundation)の代表理事でもあります。また寄付でまかなう菜食レストランや玄米菜食のクッキングクラスを運営する他健康相談も頼まれたりカトリック教会の様々な活動にも参加する敬虔なクリスチャンであり5人の孫の優しいおばあちゃんでもある長年のベジタリアンなのです。そんな彼女が7月に予定していたカナダでのバカンスの直前に激しい腹痛を感じ病院へ行ったところ即入院。検査の結果急性白血病だということが判明しました。

その時白血球はほぼゼロに等しく、免疫力が著しく低下しているためすぐさま香港で一番有名な大病院へ転院。血小板も少なく、怪我をしたら血液が止まらない危険な状態のため家族以外の面会も許されません。そのため否応なく抗がん剤治療が始まりました。これはA,Bで1セットになっているもので合計6セットで終了する見通しですがこの期間中に骨髄移植も予定されています。ABにそれぞれ2週間かかりますが体調が良ければAとBの間に1週間ほどの帰宅が許されます。

私が行った時は丁度最初のAが行われていて患者さんは入院中でした。とはいえ、帰宅までの時間を無駄にする訳にもいきません。以前の経験もあり、少しでも化学物質の副作用を抑え、体内を浄化するため早速玄米スープや玄米クリーム、梅しょう番茶などのお手当のドリンクを小さな保温ジャーに入れて、胡麻塩、鉄火、日本から持参した梅肉エキス、陽泉、ゴマ塩などと一緒に病院に運んでもらうことにしました。

あとは患者さんとその家族にお料理を毎食作るフィリピン人の住み込みヘルパーの二人にマクロの料理法を伝授しながら冷蔵庫の中や食品庫を徹底チェック。ヘルパーさん達の同意を得て消費期限切れのものは思い切って捨てながら患者さんが食べていいものと悪いものを教え必要な物を買い足します。
フィリピンヘルパーさんとキッチンで 患者さん家族、左から2番目が患者さん
さていよいよ患者さんが一時退院してくることになりました。前日は親戚のヘルパーさん達も皆駆り出され鉢植えの植物も全部室外に出すなどして家中の大掃除です。迎えに行くドライバーも車内の殺菌瘡毒に神経をとがらせていました。病院では患者さんの栄養の80%が輸液で行われ、後の20%が経口食となっていました。抗がん剤の副作用の為舌が腫れ上がり喉がふさがりそうで息をするのも大変で眠れなかったりガスが体内に籠ることから生じる言葉では言い表せない苦しさなど様々な辛い体験を経た割には体重減少もあまりなく思ったより元気な1回目の一時退院でした。

この1週間の自宅での食生活管理はかなり重要です。この間に誤った食事療法で体調が悪くなったり体力がなくなればすぐに2回目に予定されている治療に入れなくなります。責任重大ですが困ったことは化学物質や度重なる輸血のせいか味覚や嗅覚が超過敏になり、嗜好が完全に変わったことです。以前は好きで毎日食べていた玄米やブロッコリー、カリフラワー、かぼちゃ、大豆製品など体が受け付けなくなり、その時によって食べたいものが大きく変化するということです。また抗がん剤による体内での化学変化のため、発酵食を病院から禁止されているという事。従って発酵食品を使ってまず良質な血液を作りだす腸内の善玉菌を増やし浄化をすることが難しくなります。長年のビーガンとして培った味覚が変わり子供の頃お母さんが作ってくれたお料理の味が懐かしいのだとか。以前日本食レストランで食べたことがある茶碗蒸しの味を突然思い出し、是非作って欲しいとも言います。こういう状況下でできる事は患者さんの欲しがるものを否定せず、できる限り良質の素材で食物繊維や海藻、葉野菜などを取り入れ、梅干しやゴマや味噌なども隠し味に使ってお料理する事だと判断。一度手作りの皮で野菜餃子を作り玄米ビーフン入りの野菜だしスープに入れて出したところこれはとても喜ばれました。
食事1 食事2 クラスの夏バージョン

マクロビオティックではヘモグロビンは生体内原始転換で野菜の血液であるクロロフィルが作りだすと考えますが近代栄養学ではヘモグロビンはそれをたくさん含む赤い血を含んだ肉から摂る、とするのが常識です。また血液もマクロビオティックでは緊急時に一時的に骨髄で作られる他はほとんどは腸が赤血球が作りだすと考えるので腸内細菌を増やし、腸内環境をバランスよく保つことが免疫力を上げ、病気を防いだり、改善する基本となりますが近代栄養学ではそこは重視されていないので基本的になんでも食べて良いことになっています。しかも彼女の場合朝から肉や魚や卵を欠かさず食べることが必要になっているのです。患者さんの意志や判断力もあるので難しいところですがこちらがいくら頭で考えて良いと思うものを提供して自己満足しても、食べてもらえなかったり、患者さんが食事に心を許し、食後に幸せな、満ち足りた気持ちにならなければ細胞レベルでの癒しの食事にはなりません。

香港は亜熱帯と位置付けられているように地元の野菜は苦瓜、ナス、トマト、冬瓜、パパイヤ、レタス、キュウリ、インゲン、とうもろこしなどが多く、それにだしとしての肉、乾燥ホタテ、豆類などと長時間一緒に煮たスープや炒め物が一般的に好まれています。患者さんにナスやトマトは使いませんがそれに似たようなスープを作ると落ち着くようで患者さんは久しぶりに機械に囲まれた入院生活から解放され、家族とともに食卓を囲んでとても嬉しそう。丁度一時帰宅中だった時の娘さんの誕生日にはこっそりマクロケーキを頼まれ作ったところサプライズのバースデーパーティーとなり大変喜ばれました。元来陽性タイプのがっしりした体格で、おおらかな上明るく誰からも好かれるオープンな性格の患者さんは私とも会話が弾み深刻なはずの入院中の話しもなぜか大笑いの連続となりました。
中国風スープ2 中国風スープ1 娘さんに焼いたバースデーケーキ

帰宅中患者さんは血液検査のためにだけ病院へ行きましたが抗がん剤なしなのに数値的には快方に向かい、渡された資料を見せて説明してくれました。運動を奨励したところ毎朝朝食前に旦那さんと二人で公園へ行き3千歩から5千歩まで歩くようになり太極拳までしてお腹を空かせて帰ってくるという生活パターンもできました。運動することによって体内のガスも自然に抜け、体力的にも自信がついて明るさを増した彼女は誰も白血病だとは思わないほど元気に見えます。こうして1週間の最初の帰宅は無事終了しました。2回目からのきつい薬に備えてその日の朝髪を娘さんに剃ってもらいすっかりお坊さんのようになった彼女はスカーフをおしゃれに巻いて頭を隠し新しいファッションよ、とおどけて笑っていましたがまた辛い治療が待ち受ける病院に戻るのだと思ったら不覚にも私の方が急に涙がこみ上げてきてしまいました。

クラス フィリピンヘルパーさん Tai-Po-Marketの駅
患者さんの入院中は病院に運ぶおかゆや玄米と白米半々のクリーム、野菜スープ、などを作る他ヘルパーさんたちと一緒にオーガニックの新鮮な野菜や食材を求めるため市場やスーパーに行ったり、それを使って料理教室も3回行いました。地元の九龍街市場や有名なTai Po Marketにも行きました。ここには地元産の新鮮なオーガニック野菜やフィリィピンの山奥で自生していて癌に効果的と言われる薬草などもいろいろ手に入ります。ただ、大きな食用蛙が鳥かごのような四角いカゴに重なるように入れられて時折目をパチクリしていたり、小さなカゴに入れられて生きたまま売られていくため鶏が時々助けを求めるようなか細い鳴き声をあげているのを聞く事があり、私たちはこうして生き物の命を頂いて生きているのだということを再認識させられます。
癌に効くという薬草 患者さん専門の料理担当ヘルパーさん 市場の野菜



香港滞在中リマクッキングスクール卒業で香港在住のお二人からメールがあり、日時の都合上別々の日にお会いしました。以前この月刊誌でもご紹介されている小林さんと山田さんのお二人です。

小林さんは香港在住6年目になるそうですが、3年かけて香港からリマに通い師範を終了なさったのだとか。今は中国茶中心の茶話空間という優雅なお茶会を自宅で主催なさっているのだそうです。ランチの時間だったので私の選択で連れて行っていただいたのはオーガニックローフードレストラン。少し抵抗はありましたがとてもしっかりお料理を作っているとお聞きしてどんなメニューか体験するチャンスと思いました。

マーケット 小林さんとローフードカフェで ローフードの生暖かいスープ

そこで最初に出てきたのが生ほうれん草、バナナ、パイナップルの生温かいスープ。これらは何年も食べていない物なので食後の体調が気になりましたがその後もドラゴンフルーツなどが入ったサラダ、カリフラワーをご飯に見立てたビビンバ風丼とフラックスシードパウダーで作ったハンバーガーをシェアーして食べました。その後カフェ隣のショップで買い物をしてついでにもらっておいたお店の情報紙を後で患者さんの家族に見せたところ、なんとそこは患者さんのお姉さんの旦那様が経営するレストランだと判明。まさに偶然でした。さらに不思議なことはそのミーティング前日からあった頭痛がローフードレストランの後すっかり解消し、頭が爽快になったことです。しかもその後身体的不快感が何も生じませんでした。

ひと月の滞在を終えホッとしていた帰国前日には丁度日本から戻られたばかりの山田さんと私の宿泊先の近くのカフェでお話ししました。現在は大学で広東語と北京語を勉強している関係上、お子様二人と一緒に香港に在住し、マクロビオティック活動も行いながら、香港で職を得ることも視野に入れて生活されている逞しく、優しいお母さんです。こちらも小林さん同様、初対面とは思えないほど話しが弾み時間の経つのを忘れました。香港でマクロビオティックを実践するのは正直なところ容易ではありませんがマクロビオティックの考えかたは彼女の生活の支えになっているように感じました。

毎回のことですが今回の香港でも毎日が気づきの連続でした。今回の患者さんのようにいくら食に気をつけていても病気になったからには自分が作った原因があります。それは本人にしかわからないことですがそこを改善しない限り、一時的に回復したとしてもまた再発する可能性があります。今回患者さんは病気を通して大きな気付きを得たようです。退院したらもう以前のように過剰なストレスを伴うオーバーワークはせず自分の心と体の声を聞いてゆっくり過ごすつもりのようです。

最近では遺伝子解析技術が発達し、Genomics などの検査を受けると自分の細胞レベルの栄養情報やその他いろいろなことが詳しくわかるようになってきています。しかし科学的な技術力がいくら進歩しても、それを適切に利用できるように我々の心も進化していかないと”豚に真珠”になってしまいます。

今回の香港滞在を通して改めて我々は自然の産物であり、自然に反するアンバランスな日常生活の積み重ねがいかに体に負担になるか、ということを痛感させられました。最近では異常気象が益々激しくなる中、病気や犯罪や国家の争いも増える一方です。我々の心の反映である地球の健康を取り戻すためには一刻も早く我々ひとりひとりが健康に生きるため最も大切な事に気付き、できる事から行動を始める事が自分の為だけではなく地球の健康のバランスを取り戻す上での大きな鍵となるのではないでしょうか。

世界旅行記 カリフォルニア編② ~Macrobiotic Report in California~

2017/07/30 2:41 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2017/07/30 2:55 に更新しました ]

毎日多くの学びや出会いがあった12日間をチコとサクラメントで過ごし、遂に数子さんとはお別れ。その後は私の一人旅が始まりました。カリフォルニアは何度も訪れ家族で住んでいた懐かしい場所ですがこれからの3週間は初対面の方々の家を訪れ、ご家族と接しながらそこのお宅でクラスをやらせて頂く、という初めての試みです。これから更にどんな出会いがあるかワクワクしながらサクラメントから最初の訪問先であるセバストポールへ向かいました。

ファーム
セバストポールはサンフランシスコから車で約1時間半程北上した所にあり人口約7800人。自然教育や環境、健康への配慮やボランティア、住民自治の意識が非常に高く穏やかで安全な優しい感じの町です。町の特徴として”放射能フリー”も掲げられています。ファーマーズマーケットや食料品店を見てもオーガニック、グルテンフリーやビーガン、ベジタリアン食がかなり普及しているようで住民の健康意識の高い町とお見受けしました。オーガニックのベジタリアンレストランやカフェも多く、またメニューが豊富なので注文する際にも迷って簡単には決められません。ここでは人口の約20%の子供がシュタイナースクールに通っているそうで公立のシュタイナースクールまであるのだとか。競争率がかなり高く人気なようです。

セバストポールではワタナベさん一家に大変お世話になりました。ワタナベトモコさんとは初対面でしたが私の本を買ってレシピを利用して下さっていたり共通の知人がいたりして不思議なご縁を感じました。
ワタナベさんがマクロビオティックを実践するきっかけとなったのは息子さんのアトピーです。当時すでにカリフォルニア在住だったご一家はまだ幼い彼が、全身に及ぶひどい症状で苦しむのを見かねて一家でマサチューセッツ州の久司インスティチュートに滞在してマクロビオテイックを学び、実践することを決意したのです。すると3ヶ月ほどでアトピーの症状だけでなくご主人の体調まで改善してきたのだとか。これを機にご主人も動物食を止め、今やワタナベさんはお味噌、梅干し、甘酒は勿論、梅肉エキスまで手作りして一家でマクロ食を実践しています。食卓にはいつも玄米や雑穀米、味噌汁、漬物、テンペやひよこ豆ハンバーグなどの植物性たんぱく質と野菜のお惣菜などバランスを考えたお料理が並びます。ご主人や息子さんなども協力しながら食卓を手際よく整えているのが印象的でした。

ファーマーズマーケット
ワタナベ家の近くにあるコミュニティマーケットに連れて行って頂きました。ここには店内ガイドの予約をしておくとお店の方に商品の詳しい説明をしてもらえるというサービスがあります。ワタナベさんの手配でこのサービスを利用しました。食材や商品の原産も内容も使い方もわかり参考になります。もちろんここでマクロの食材や日本食の材料もほとんど揃いますので私達のお料理のメニューには困りません。アメリカのスーパーで特に目につくのはおしゃれなボトル入りの様々な健康飲料です。特にコンブチャは流行っているようで昆布を使ったお茶かと思ったら原料は紅茶キノコだそうです。またオーガニックカフェに行くと豆乳どころかアーモンドミルクやヘンプミルクも追加できるようになっていました。若干割高にはなりますが美味しいものです。お惣菜や穀物系、スパイス、ナッツ類はもちろん、水まで量り売りしていて欲しいものだらけでしたがこれからも続く旅のことを考え我慢しました。

ワタナベ家
ワタナベさんの手配でセバストポールのワタナベさん宅とサンノゼの2ヶ所でクラスを行った後はスコッツバレーのマッコニーシノブさん宅、ダリシティではカシワギさん宅、バークレーでは台灣人とスペイン人の友人宅を訪れ健康相談を行い、またセバストポールに戻りました。ワタナベさん宅で数日過ごしてからご一家とパロアルトの教会でのビーガンディナーに参加して翌日空港まで送っていただきLAに移動。LAではオレンジカウンティー在住のマスモトさん宅に1週間も泊めて頂きクラスをしたり、オーガニックの農場やファーマーズマーケット、自然食スーパーやレストランに連れて行って頂いたりしてここでもすっかりお世話になりました。

今回カリフォルニアでお目にかかった方々は自分や家族の体調を第一に考え、とても熱心に自然食に取り組んでいました。梅干し、味噌、各種漬物はもちろん、そばやうどんも手打ちをして、オーガニック化粧品まで作っている方達もいます。

味噌
カリフォルニアは全米一と言われるほど健康志向の人が多い州です。西岸海洋性という野菜、果物等の生産に適した温暖な気候に恵まれているためオーガニックの新鮮素材が比較的安く出回っていて、またそれらを使った高品質の味噌や醤油、豆腐、甘酒、もちなど日本食材も豊富です。クラスで伺ったそれぞれの地域でファーマーズマーケットや自然食スーパーに行きましたが、穀物類、ナッツ、豆、ドライフルーツ、スイーツ、他自然食品など計り売りされている原材料の種類が豊富なのを改めて羨ましく感じました。

今回カリフォルニアでのクラスを企画して頂いたお陰で更に多くのマクロビ仲間が増え楽しい思い出がたくさんできました。各地で私のクラスを手配して頂いた数子さん、ワタナベさんには改めて感謝すると共に来年は数子さんの88歳のお誕生会がサクラメントで開かれる予定なのでそれに合わせてまたカリフォルニアを訪問したいと思います。

8月のエッセイ

2017/07/19 17:11 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2017/07/20 1:11 に更新しました ]

7月12日は新潟県見附市でクラスを行いました。ここでのクラスは9年目になりますがマクロビオティック料理教室の参加者は安定して増加しています。今回は初めて夜のクラスの開催をしたところ18名の参加があり、そのうちの8名は玄米を食べたこともない方を含む初心者の方でした。日中働いているので夜のクラスなら参加可能、という方が結構いらっしゃいました。今回は枝豆を最後に玄米に混ぜて夏らしさを演出しましたが初めての方にも美味しいと好評でした。

15日は仙台のナチュラルフードショップオーク社長とカフェスタッフ2人計4人で埼玉のオーガニック食材を扱う会社、アリサン(台湾の山阿里山が由来)の食のイベントに参加してきました。高麗(こま)川を見下ろすアリサンカフェのテラスには椅子とテーブルと食事を提供する幾つかのブースが用意されており外国人を含む多くの人で賑わっていました。私たちも早速各自が好きな食べ物を買ってきては皆で味見をしました。アリサンは基本的に海外のベジタリアンが好んで作る献立に必要な食材や商品を提供する会社ですからそこで作られるお料理は味付けも見た目も日本食とは根本的に違います。

台湾製の特殊な形をした平たい5色の麺に独自のスパイスソースで味付けしたもの、タイのガパオライス、中東で好んで食べられるファラフェル(ひよこ豆の揚げ物)のピタサンド、スペインやポルトガルで有名な夏野菜の冷製スープガスパチョ、レンズ豆のインドカレー、モロヘイヤを練り込んだ玄米パスタイタリア風、夏野菜のケバブ、ベジタリアンテリヤキチキン風ピザなどの他幾つかのデザートなど国際色豊かな品々はどれもマイルドな味付けで美味しいものばかりでした。

帰り際、ジョンベリス社長とお話しする機会がありました。こういうことを東北でもやってより多くの人に変化のある美味しいベジタリアン食を知ってもらうイベントが行えたら楽しいのではないかと提案したところ是非やりましょうということでした。

7月のエッセイ

2017/07/19 17:01 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2017/07/19 17:16 に更新しました ]

最近日本人の消化器管環境の変化は著しく日本は世界一女性の大腸癌死亡率が高い国になりました。

1980年代始めには全くなかった潰瘍生大腸炎は今や20万人に増加し、クローン病、多発性硬化症、パーキンソン病、リーキーガット症なども糖尿病、癌、認知症などと同様に増加の傾向にあるようです。

アトピー、アレルギー疾患、花粉症、などの皮膚、アレルギー疾患や脳神経系疾患、糖尿病など消化器とは無関係のように思われていた病気が実は腸内環境と密接な関係にあることが近年の研究で明らかにされてきました。また遺伝子で決まる病気もありますが多くの場合遺伝子で決まるわけではなく生活習慣病や癌というのは遺伝子による影響はないということです。

我々の腸内には元々100種類以上、約100兆個から1000兆個の腸内細菌がいるとも言われこの様子がまるで花畑のようであることから”腸内フローラ”(腸内細菌叢)と呼ばれています。腸内環境がバランスよく健全に保たれていればきれいな血液が全身の細胞に回り各種疾患から体を守る免疫力を高めることになります。

では腸内環境を整えるにはどうしたら良いのでしょう。腸内フローラを決めるのはライフスタイルと食べ物ということです。食物繊維、発酵食品、乳酸菌、ポリフェノール、運動等は腸内の善玉菌を増やし、反対に高脂肪食、酸化物質、ストレス、化学物質、抗生物質などは悪玉菌を増やすことがわかっています。

”全ての病気は腸から始まる”と紀元前460-377年頃存在した医学の父ヒポクラテスは言っています。玄米や雑穀米、海藻、野菜など食物繊維の多い食物を摂ると必然的にビフィズス菌が増え腸内環境が整ってきます。自分の腸内フローラを良い菌に変えるためにはどうしたら良いか考えできる事から実行していく事により健康を手に入れる事が可能になります。

6月のエッセイ

2017/05/11 16:24 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2017/05/11 16:46 に更新しました ]

3/1からカリフォルニアで約1ヶ月に渡りマクロビオティックのクラスをしてきました。

フェーレ夫妻のキッチン
最初のクラスは北カリフォルニアのチコで長年マクロビオティック啓蒙のためサマーキャンプを行っているフェーレ夫妻の広いキッチンをお借りすることになりました。前日はクッキングに必要なオーガニック食材などの買い物。カリフォルニアは日本人が多く住んでいることから豆腐や納豆、高品質の味噌、醤油、海藻、甘酒などの日本食やごぼう、大根、蓮根、山芋などマクロに欠かせない根菜類も入手可能なので献立にも困りません。

前日の晩は彼らの家に泊まりこんで奥さんのジュリアに手伝ってもらい仕込みは完了。当日は10時すぎから日本人、アメリカ人の参加者が集まりました。10人程で食事の支度は和気相合と進み3年番茶を使った梅しょう番茶や血糖値の安定に効果的なスイートベジタブルドリンクなども皆で作り試飲していただく事が出来、有意義な会になりました。

マクロビオティッククラス第2回目
その後はサクラメントに移動。そこでは2回クラスをやりました。それぞれオーガナイズして下さった方の明るく広いリビングで彼らのお友達を参加者として招いてのクラスです。ここでは小豆玄米、根菜のポタージュ、ソイミート(大豆のたんぱく)の野菜あんかけ、山芋のサラダ、青菜ともやしの和え物、大根と人参の甘酢漬け、ひじき入り豆腐の蒸し物、りんご寒天などうまく時間内に並び話しが盛り上がりました。

今回クラスに集まったカリフォルニア在住の日本人の方々はオーガニックにこだわり、梅干し、味噌、甘酒、漬物、納豆まで手作りし、玄米、雑穀米、味噌汁を欠かさず日本に住む日本人よりも手作りの日本食が中心なのに驚きました。また質問などから自分や家族の体調にも敏感で食物の陰陽に関心を持ち熱心に食に向き合っているのを知ることができました。なんと言っても気候柄地元の新鮮なオーガニックの野菜、果物が豊富なのは羨ましい限りです。(続)
小豆玄米、ソイミート(大豆のたんぱく)の野菜あんかけ、山芋のサラダ、青菜ともやしの和え物、大根と人参の甘酢漬け、ひじき入り豆腐の蒸し物

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