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美上みつ子の世界旅行記 イタリア編② ~Macrobiotic Report in Italia~

2016/09/05 18:11 に Mitsuko Mikami が投稿   [ 2016/09/06 5:41 に更新しました ]
今回の私の訪問に際し、マリネラはマクロビオティックの料理を紹介するため彼女の親しい友人達を集めてくれた。マリネラをはじめ、ほとんどがマクロビは知らないが日本人が作る健康食とはどんなものか、皆興味津々で集まってきたようだった。
参加者も10人以上になると日程を決めるのが難しかったようだがマリネラは根気強く調整にあたってくれ、結局数回に分けてクラスが行われる事になる。
1回目の参加者は11名。マリネラの家のキッチンでは少々手狭なので彼女の親友の家の大きなキッチンを借りるよう手配してあった。

ボローニャに着いた翌日そのキッチンを下見に行って驚いた。郊外にあるその屋敷は広大な敷地内にあり、家というより小城と言える。しかしキッチンだけは白で統一され、広く、明るく近代的な造りにリノベートされていて、レストラン仕様の大きなレンジや業務用冷凍冷蔵庫の他中央にある大テーブルの下は引き出しになっていてピカピカなステンレス製の大小いくつもの鍋や小物は使い易く収納されておりここの主人は料理好きな人だとすぐわかる。ついでに興味津々で拝見した居住部分は全ての部屋の天井に中世のフラスコ画が描かれており、壁には絵画もたくさんかかっている。ダイニングルームには特大のテーブルがあり、豪華なシャンデリアが天井から下がっていた。

クラス当日、準備のためマリネラの車から下ろした食材をチェックしている時、マリネラの冷蔵庫に積み残しの食材があったことに気づき血の気が引いた。それからとりに行ってもらうと往復で1時間以上かかることになりクラスの予定が大幅に狂ってしまうことになるが仕方なく忘れ物の事をマリネラに告げると嫌な顔もせず家に取りに戻ってくれることになった。マリネラ不在の中、やむお得ず私は一人でクラスを始める事にした。英語からイタリア語に通訳してくれる彼女が居なくなり困ったが幸い参加者の一人の若い子が通訳を引き受けてくれ助かった。

今回は蒸し野菜の甘酒ドレッシング添え、こちらの自然食店やベトナム店でも扱っている日本そばとパプリカの焼きそば、玄米リゾットキッシュ、豆腐とわかめのみそ汁、ソイミートとズッキーニの唐揚げ、イタリアを意識してトーフチーズとトマトとミントをあしらったカプレーゼ、アスパラと豆腐の炒め物、ひよこ豆味噌にハーブや胡麻などで風味をつけた味噌を乗せたクラッカーなど。デザートは時間が足りなくなり、タルトを作るはずだったが丁度時期のサクランボのクランブルに変更。これはフルーツ好きのイタリア人には大好評だった。アシスタントのマリネラが不在だったこともあり、不慣れなキッチンでマクロビの説明などもしながら2時間で全品作るのは結構骨が折れたが手順さえ間違わなければそこは百戦錬磨の料理経験と持ち前の手早さでどうにか事なきを得た。マリネラの持ってくる材料がないと仕上げができない数品を残し大体仕上がったところでマリネラが戻ってきて、見事に時間内で全て完成。食事の後にはまた用意しておいたレズメに従ってマクロビオティック概論と、今回は特に発酵食品である、みそ、しょうゆ、甘酒、梅干し、3年番茶などの効用とこれらをどのようにイタリア食とマッチさせ日常に取り入れるか、などを話した。その後、コンサルテーションを受付けたら即5人の予約が入った。




またマリネラ夫妻の友人の医者だけを6、7人招いた夕食会も開かれた。仕事を終えた彼等が集まってきたのは8時頃でそれから最後の客が帰ったのは12時を回っていた。その食事会はマリネラの家で行われたので快活な彼等の息子のロベルトも参加してくれ、おおいに場を盛り上げてくれた。彼等にとっては初めてのマクロ食であったがとても好評でほっとした。特にみそ汁は全員に好評だったようでレシピをせがまれた。野菜のかき揚は勿論、日本から持参した大豆ミートの唐揚げはここでも好評。デザートのひとつに小豆と持参した抹茶で色をつけた白玉団子を作ってみたがこれは食べた事がないねっとりした歯ごたえが苦手な人もいたようだ。また豆を甘く煮て食べる習慣がない彼等に小豆あんは抵抗がある人もいたようだ。ただし、生まれて初めての日本の健康食や玄米を食べる経験は楽しかったようで皆に喜んでいただいた。

この中の一人の精神科医の女性はマクロ食に大変興味を持ってくれた。来年イタリアが取り組みを企画している予防医学の委員会のメンバーであり、今年中に勤めている病院を退官したらメンバーの仕事に専念できるので食の部門でマクロビを提案してみたい、と話してくれた。私が滞在中は毎日のように連絡を取って訪ねてきたり、マリネラ夫妻とレストランでのランチや彼女の住まいに招待してくれたり、若い助手達とカフェでお茶をしたりと何度もお会いした。彼女の書いた本も2冊渡されたが全部イタリア語で書かれており内容はわからない。




今回の私の滞在日程の最後の数日には私とマリネラとの共通の友人がスイスと北イタリアのトリノからやって来た。ふたりのお土産は何と大量のご当地チーズ。水牛やヤギ、形、大きさ、色、味、作り方も違う様々な種類があるものだ。早速夜にはその大試食会となった。それにたっぷりの蜂蜜やマーマレードをつけて食べるのがヨーロッパ風らしい。極端ではあるが陰陽のバランスは確かにとれている。彼等にとってこのチーズは日本人にとっての漬け物であるような気がした。動物性と植物性の大きな違いはあるがどちらも伝統的な発酵食品には違いない。

彼女達にまた数人の友人を加えマクロビランチ会をしたり、お土産を買いにショッピングに出かけ、ついでにジェラートを食べながらボローニャの町を散策したり、夜はビデオを見て皆で泣いたり、の他、私は、今は亡きNY在住だったマクロビの大先生である山本しずこ先生直伝の“はだしの指圧”を全員にしてあげてとても喜ばれた。最後の日の朝は近所の素敵なカフェでペストリーとコーヒーの朝食を摂って、再会を誓い合った。こうして最後まで充実した日々を過ごすことができた。
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